高血圧はほとんど自覚症状がないため自分で気づくことが難しい病気です。日本では人口のおよそ3人に1人が高血圧といわれています。血圧が高いだけと思って放置をしていると、脳梗塞や脳出血、心不全、心筋梗塞や狭心症などの合併症を引き起こしやすくなります。だからこそ、予防の観点から薬局で手軽に購入できる家庭用血圧計にて自宅で毎日測ったり、早期発見、早期治療に繋がる健康診断を毎年受けることがとても重要となってきます。
血圧の基本知識
血圧とは、心臓が縮んだり広がることで発生する血液が血管の内壁に与える力のことを言います。血圧が高いか低いかは2つの要素、心拍出量と末梢血管抵抗によって決まります。
心拍出量
心臓から押し出される血液量
1回拍出量 x 心拍数(1分間)
1分あたりに約5リットルの血液量が全身に送り出されています。
末梢血管抵抗(血管の弾力性)
血管(動脈)の弾力性がよいと血液の通りが良いですが、血管が硬い動脈硬化の状態だと血圧上昇に繋がります。
また、血圧上昇すると、更に動脈硬化となり悪循環となってしまいます。


以下は日本高血圧学会(病院で測る場合)とAmerican Heart Associationのガイドラインによる血圧の値を表に纏めたものです。

生活習慣の見直し

食塩の摂取量が多いと血圧が上がり、血圧が上がることによって脳卒中や心臓病のリスクが高まります。1日の食塩摂取量6g未満にする。
外食や加工食品を控える・・・自分で分量を量っていない分、目に見えない食塩が多く含まれています。
麺類の汁は残す・・・ラーメンなど汁には2~3gの塩分が含まれています。
具だくさんにする・・・お味噌汁は具だくさんにし汁を減らすことで減塩できます。

たばこは血管を収縮させ血流を悪くし、血液が凝固しやすくなります。
少量の飲酒であれば一時的に血圧を低下させますが、飲酒量が多いと血圧を上げ脳卒中や心臓病、肝臓病などの原因になります。一定量以上を継続して飲むことも高血圧の原因になります。
男性では20~30mL/日以下、 女性は約半分の10~20mL/日以下が適量と言われています。
おおよそ日本酒1合=180cc、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウィスキー・ブランデーはダブルで1杯、ワインは2杯まで。

肥満であると血圧が上がり心臓への負担になります。他にも糖尿病、肝障害、腎障害などの合併症を引き起こす原因となります。BMI=25未満を目指して減量をしますが、減量方法には個人差がありますので医師と相談しながら適切な運動方法を見つけるとよいでしょう。
先ずは軽い運動の散歩や自身のペースでジョギングやサイクリングをして全身の血液の流れを良くしていきましょう。毎日30分以上または週180分以上を目安とした有酸素・持久性・動的運動が推奨されています。
急激な減量はリバウンドの原因になります。また急に強い運動や長時間の運動をするとことは体を痛める原因になりかねるため控えましょう。ふだんから息切れ、胸の痛み、眩暈がある方は、まずどの程度の運動をしてよいか医師に相談してください。
薬に頼らない、あるいは薬の量を減らしていくためにも、減塩、節酒、禁煙、運動など生活習慣を見なおすことが有効且つ重要となります。
参考: