【アレルギー】アメリカの花粉症対策について(2025年5月30日)

医療・薬・予防等に関するお役立ち情報

花粉症の原因は地域により異なりますが、日本と同様にアメリカでも春から秋にかけてがピークとなります。日常生活で早くからできる対策方法、お住まい地域の飛散傾向を確認して、シーズン中の症状をより和らげられるよう予防をしていきましょう。アメリカの一般的な市販薬、日本語でご受診が可能な病院をご紹介していますので、どうぞお役立てください。

日本の花粉症と言えばスギ花粉により引き起こすことが知られているのに対し、アメリカでは主にブタクサ(ragweed)が原因であると言われ、81億人が季節性アレルギー性鼻炎(Seasonal allergic rhinitis)と診断されています。植物タイプは木(tree)、草(grass)、および雑草(weed)の花粉によるもので、春から秋にアレルギー反応を引き起こします。日本からアメリカに来て花粉症状が改善したと思う方がいるかもしれませんが、主となる原因が異なるためですので油断をせずに予防をしていきましょう。

月別花粉ガイド
https://aafa.org/allergies/types-of-allergies/pollen-allergy/を参考に纏めた月別花粉ガイド

各地域の花粉飛散情報はこちらのサイトPollen.comから確認することができます。

症状


花粉で目がかゆくなった男性のイラスト
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目の痒み
  • 目の充血 など

症状別対策


アレルギー鼻炎

アレルギーの症状で最も悩ましいものの一つに鼻水、鼻づまりがあると思いますが、OTCで手軽にできる対応としては抗ヒスタミン薬(Allegra, Zyrtec, Claritinなど)や抗充血薬(pseudoephedrine)などの経口薬、Nasal Sprayが上げられます。

今回はNasal Sprayについてご説明します。

Nasal Sprayについては大きく3種類に分けられます。

鼻粘膜充血解消薬(Anti-nasal congestion)例Afrin(oxymetazoline)
抗炎症ステロイド(Anti-inflammatory steroid)例 Flonase (fluticasone)
生理的保湿剤(Normal saline moisturizer)

それぞれに良い面、悪い面があります。

①血管を収縮させることにより鼻の通りを良くし、鼻水を押さえ、即効性があります。一方交感神経が優位となり、血圧上昇、動悸、渇きとともに睡眠を阻害する可能性があり、3日を超えて連続での使用は避けたほうがいいでしょう。
②炎症のもととなる物質の生成を抑制し炎症自体を抑えます。即効性、持続性に長けています。一方、慢性的な使用は粘膜自体の耐性や免疫力を弱める可能性があり、10日から2週間ごとに一旦使用を休止するのが望ましいでしょう。
③生理的食塩水で成分が本来の鼻水に近く、粘膜の保湿、保護をすることによって自律的に炎症を抑えるサポートをします。花粉を含めた余計な異物を洗い流す役割もあり、副作用はほとんどなく2時間ごとに使用できます。一方、即効性はなく、一旦起こった充血や炎症には上記の薬効スプレーを使う必要があるでしょう。

Nasal Spary以外の鼻炎対策としては、マスクの使用が上げられます。対ウイルス、バクテリアほどの目の細かいものである必要はなく、バンダナやファッショナブルなフェイスマスクでも構いません。またリップクリームやワセリンなどで口唇粘膜や鼻孔粘膜を保護することも効果的な予防になります。

アレルギー症状に対する市販薬 over-the-counter (OTC)


例)

  • Claritin
  • Zyrtec
  • Allegra
  • Afrin
  • Flonase
  • Nasacort
  • Pataday

アメリカの市販薬のご紹介はこちら
すでにアレルギーをお持ちの方、妊娠中の方、他薬を服用されている方は医師と相談されることをお勧めいたします。

日常生活でできる対策


✔ 花粉飛散情報をチェックし、乾燥していたり風の強い日は外出を控える
✔ ブタクサ花粉の飛散が多い朝と夕暮れを避けて外出する
✔ 外出時にはマスク、眼鏡を着用する
✔ 帰宅後は着替え、手洗い、うがい、洗顔をする
✔ 室内では靴は脱ぐ
✔ 布製ではなく革・合成皮革製を選ぶ
✔ 掃除をこまめにする、水拭きをする
✔ 換気時は短時間にし、なるべく窓を閉めておく
✔ 室内空気清浄機を使用する

靴や衣服同様自宅に入る前には十分なはたき落としや洗浄を心掛け、花粉等アレルゲンの部屋への運び込みを避けましょう。
これらの対策方法や市販薬でも症状の改善が見られない場合はすぐに主治医を受診するようにしましょう。

本ページ監修医:中釜知則医師

J+Med on Madisonではプライマリ・ケア(家庭医学科)、健康診断、婦人科・幼児健診、生活習慣指導、アレルギー・心理カウンセリング、東洋医学(鍼・漢方)、アスレチックトレーナーによる李コンディショニングと怪我予防など、健康管理から病衣と怪我の治療までワンストップでのケアを提供しています。同院詳細はこちら

アメリカでの住まい探し


アレルギー・花粉症をお持ちの方は特に健康に配慮した住まい選びをされることでしょう。だからこそ日本語で相談できる不動産会社が安心できると思います。

  • 州、地域
    アメリカは広い分、同じ州でも環境差があります。山や森林、公園の近くは花粉が多く飛びやすいので少し木々から離れているお家を探すとよいでしょう。
  • 建物の構造や設備
    外からの花粉の侵入を防ぎやすい気密性・断熱性が高い建物が理想ですが日本とアメリカでは構造が違います。例えば換気口にフィルターが付いているか、取り付けが可能か、またカーペットかフローリングかなどを確かめてみましょう。
  • 住戸の階数
    アメリカは大都市でない限り高層アパートの賃貸は見かけません。ほどんどが2階建てや5階以下の賃貸物件であることが多いです。ただ低層階であると花粉は地表付近に多く滞留するので、1階は避けて、なるべく2階以上のお部屋を選ぶとよいかもしれません。
  • 洗濯物、収納、ガレージ
    アメリカは基本、室外干しはしない習慣があります。一軒家、アパートの中に洗濯機とドライヤーが備えてあるかを確認しましょう。中にはアパート施設内に共有ランドリーが設置されている所もあります。もし住まいのスペースとは別に収納、ガレージがあれば、外からの花粉やホコリを室内に持ち込まないように収納分けをすると寄りよいでしょう。
日本語で受診が可能な医療機関情報
医療機関名 対応州(遠隔診療含む) URL
SHUICHI KOBAYASHI MD CA, TX, KY, OH, NY, HI https://www.jtelehealth.com/
J+MED on Madison (Tomonori Nakagama, MD)
NY, NJ, CT https://jmedny.com/
KURAOKA CLINIC GA, OH, TX http://www.kuraokaclinic.com/
Yoshiko Ogawa-Reel MD TX https://www.center4allergy.com/japanese
Junichi Ohara MD, Junko Ohara MD CA https://sites.google.com/droharaclinic.com/home/home
NAOKO MATSUMOTO MD CA https://matsumotomd.com/en/aboutus/
CHIKA KUWAMA MD(Hibari Family Medical) NJ, CT, DC, MD, VA https://hibarifamilymedical.com/
HIDENAO KIMURA MD LLC OR http://kimuramd.com/

参考:

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