【予防接種】アメリカの予防接種について(2026年6月15日)

医療・薬・予防等に関するお役立ち情報

米国にご赴任、帯同されるご家族皆様の安全のために、アメリカの予防接種についてご案内いたします。
疾病管理予防センターCDC(Centers for Disease Control and Prevention)が推奨するスケジュールに沿って予防接種を受けるのが一般的です。ですが、各州の法律により必要な予防接種の種類も異なりますので、必ず各州のDepartment of Public Healthで確認をしておくと良いでしょう。

2026年1月に日米双方で予防接種の推奨内容に改正があったことを受け、本記事を更新しました。あわせて、乳幼児を帯同されるご家族向けに、こどもの予防接種の詳細手順を追記しています。

海外赴任者の予防接種

短期か長期かにより推奨される予防接種が異なります。中には期間を空けて複数回に分けて受けるものもあるため、接種計画は渡米の3ヶ月以上前から余裕を持って早めに立てると良いでしょう。先ずは母子手帳を確認し、勤務先が勧める医療機関またはトラベルクリニックにて相談と確認の上、必要な予防接種を受けてください。
長期滞在者には、麻疹風疹、インフルエンザ、新型コロナ、水痘、破傷風、その他感染するリスクがある地域の場合は黄熱、A型肝炎、B型肝炎、ポリオ、狂犬病が推奨されることがあります。

参考:厚生労働省検疫所FORTH-海外渡航のためのワクチン(外部リンク)

※2026年1月のCDC改定により、インフルエンザ・新型コロナ・A型肝炎・B型肝炎は全員への一律推奨から、医師と本人・保護者が個別に判断する「Shared Clinical Decision-Making(共同意思決定)」またはハイリスク群への推奨に変更されています。接種の要否については、かかりつけ医にご相談ください。なお、米国小児科学会(AAP)はこの変更に反対しており、独自の推奨スケジュールを引き続き公表しています。最新情報はCDC(cdc.gov/vaccines/schedules)およびAAP(healthychildren.org)でご確認ください。

派遣留学者の予防接種

予防接種で菌を追い払うイラスト

各州と入学先によっても求められる予防接種が異なります。それぞれ必須となる予防接種を確認し、母子手帳で接種記録と照らし合わせてください。子供の頃に受けたことのある予防接種でも、有効期限が切れていると判断されるものもありますので、渡米前に医師に相談し不足している予防接種を受けてください。

こどもの予防接種

4人家族のイラスト

幼稚園、小中学校、高等学校の入学または編入をする際には、予防接種歴の証明書の提出が求められます。日本よりもアメリカの方が推奨される予防接種の種類が多く、また日本とは予防接種の種類が異なる部分があります。日本から渡米される方は先ずは母子手帳を確認しましょう。アメリカに既に滞在されている方は、CDC推奨スケジュールに沿った予防接種を小児科医の適切な判断の下で受けるのが一般的です。また、ツベルクリン反応検査がBCGを日本で打ったことによる陽性結果であったとしても、アメリカでは結核の疑いとして血液検査や胸部レントゲンを受けるようにと指示されることがあるようです。入学に必要とされている予防接種でも、アレルギーや他疾患により接種すべきでないと医師に判断された場合は、その旨を証明書に記載してもらいましょう。

うつらない、うつさない

予防接種は、子どもの健康と周囲の命を守る「社会の免疫」です。アメリカでは、新学期の就学時やキャンプなどの学外活動に参加する際、必要な予防接種をすべて完了しているか確認するため、小児科医が記入する「予防接種記録」の提出が求められます。当院では、日本語対応の小児科専門医が定期検診(Well Child Visit)を通じて子どもの成長発達段階を確認し、年齢に応じた予防接種を実施しています。

大西美代子医師

大西 美代子 医師

小児科専門医・発達心理学博士

J+MED on Madison(ミッドタウン本院)
毎週土曜日、ニューヨーク在住日本人のお子様の一般診療・小児定期健診・予防接種・発達相談に対応。

東京都出身。慶應義塾大学卒業後、カリフォルニア大学サンタクルーズ校にて発達心理学博士号を取得。親子関係および子どもの情緒発達を専門に研究。セントジョージズ医科大学卒業、SUNYダウンステートメディカルセンター小児科レジデンシー修了。現在はTribeca Pediatricsに常勤。

こどもの予防接種 - 手順

STEP 1 ― 渡米前に準備すること

母子手帳をもとに、日本の主治医または渡航医学専門クリニックで、接種記録を英語で記載した「Immunization Record(予防接種証明書)」を作成してもらいましょう。日本渡航医学会(jstah.umin.jp)のウェブサイトでは、英文証明書を発行できる医療機関を検索できます。また、赴任先州の保健局(State Department of Health)ウェブサイトで「immunization requirements daycare/school」と検索し、デイケア・プリスクール入園に必要なワクチン要件も事前に確認しておきましょう。

STEP 2 ― 医療機関の探し方と受診のポイント

渡米後は、加入する健康保険のウェブサイト(Find a Doctor)でネットワーク内(In-Network)の小児科医(Pediatrician)を探し、かかりつけ医として登録することをお勧めします。初診時には保険証(Insurance Card)・英文予防接種証明書・母子手帳(英訳コピー)を持参すると、医師が日本での接種歴とCDCスケジュールを照合し、不足分の追加接種(キャッチアップ接種)の計画を立ててくれます。

STEP 3 ― 予防接種記録の公式登録と管理方法

アメリカでは各州が「予防接種情報システム(IIS: Immunization Information System)」を運営しており、医療機関が接種情報を公式に登録します。受診後に医療機関へ「Is this clinic registered with the state IIS?」と確認するか、患者ポータルサイト(MyChart等)で記録が表示されるか確認しておきましょう。州ごとにオンラインで照会できるサービスが設けられており、例えばワシントン州はMyIRmobile、カリフォルニア州はCAIR、テキサス州はImmTrac2で記録を確認できます。

IISに登録していない医療機関で接種した場合でも、その医療機関は独自の診療記録(カルテ)として接種履歴を保管しています。そのため、記録が消えてしまうわけではなく、医療機関に依頼すれば「Official Immunization Record」として発行してもらえます。再接種が必要になるのは、医療機関が閉院するなど何らかの理由で記録そのものが取得できなくなった場合に限られます。IIS未登録の医療機関を利用した際は、接種のたびに書面での記録を受け取り、ご自身でも保管しておくことを特にお勧めします。

STEP 4 ― 帰任を見据えた記録の取得と持ち帰り方

帰任が決まったら3〜6か月前を目安に、かかりつけ医へ英文の「Official Immunization Record」の発行を依頼し、州のIISからも記録を印刷・ダウンロードしておきましょう。記録は紙・PDFの両方でバックアップし、母子手帳への追記もあわせて行うと安心です。日本帰国後は地域の保健センターや小児科に英文証明書を持参することで、母子手帳への転記や必要に応じた追加接種の相談ができます。

ワクチンの接種を避けた方がいい人とは?

日本とアメリカの 0〜18歳 推奨予防接種 対比表(2026年改定)

ワクチン名 日本
(2026年4月1日時点)
アメリカ
(CDC 2026)
▶ 乳幼児期
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型Hib
小児用肺炎球菌Pneumococcal conjugate
B型肝炎Hepatitis B / HepB
ロタウイルスRotavirus
4種混合 (DPT-IPV)DTaP
ポリオ(急性灰白髄炎)IPV
BCG(結核)BCG
▶ 幼児〜学童期
麻疹風しん混合Measles, Rubella / MR
水痘(みずぼうそう)Varicella
日本脳炎Japanese encephalitis
破傷風Tetanus
ジフテリアトキソイドDiphtheria
▶ 思春期以降
ヒトパピローマウイルスHPV
破傷風+ジフテリア+百日咳Tdap
▶ 日本では任意接種
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)Mumps
インフルエンザInfluenza
A型肝炎Hepatitis A / HepA
髄膜炎菌Meningococcal ※2
Covid-19Covid-19

凡例: ◎ 推奨 ◆ 特定グループのみ ― 非推奨 / ※1 日本では4種混合(DPT-IPV)として一体化 ※2 ◆はB群髄膜炎菌(MenB)等、特定グループ向け ※3 Tdapは追加免疫として定期化 / 本表は参考用です。詳細はCDC・お住まいの州・入学先でご確認ください。

表はあくまでも参考までに作成したものです。詳しくは正式なCDCスケジュール及びご赴任地域、ご入学先の情報をご確認ください。

※本記事の情報は2026年5月時点のものです。予防接種の推奨内容は随時変更されますので、最新情報は各公式サイト(CDC・日本小児科学会・厚生労働省)でご確認ください。

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