【熱関連疾患】プールでも熱中症、その他熱に関連する疾患(2023年8月11日)

医療・薬・予防等に関するお役立ち情報

前回は一般的な熱中症についてご案内をいたしました。今回は、プールでも熱中症になりえること、またその他の熱に関連する疾患である、熱疲労、熱痙攣、日焼け、汗疹についてご案内をいたします。

プールや海辺でも起こる熱中症

プールで泳ぐ男児

水中は熱中症にはならないと思いがちでしょう。しかし、水中でも発汗や脱水があり、特に屋外プールで水泳練習中に熱中症を発症することがあります。日よけがなくコンクリートでできたプールサイドは炎天下により高温となります。水泳プールでは飲食が禁止されていることが多く、水分補給をすることが難しくなります。日よけがなければ直射日光による輻射に加え、普段とは異なり衣類で遮ることができません。他の要因として、勉強や仕事による睡眠不足や体調不良と重なると、更に熱中症になる危険があります。旅行先ではプールサイドに横になってカクテル、または海水浴場の浜辺でビールというイメージを浮かべる方もいると思いますが、アルコール類には利尿作用がありますので水分補給にはなりません。水泳プールでは休憩を取り水分補給を、海辺では電解質を含んだ飲み物スポーツドリンクなどで水分補給をすることを心がけてみてください。

その他の熱に関連する疾患例とは、

熱疲労

熱疲労は、暑さによる体の負担によって引き起こされる状態で、通常は長時間の暑い環境での労働や活動によって生じます。高齢者、高血圧の方は発症する可能性が高いので特に注意して頂く必要があります。過度な発汗による水分と塩分の損失による脱水状態が主な要因です。症状としては体力の低下や疲労感が現れ、体のだるさ、筋肉の痛み、集中力の低下、倦怠感などが含まれます。

熱けいれん

熱けいれんは通常、過度な活動中に多く発汗する労働者、運動をする方が引き起こされる傾向にあります。この発汗によって体内の塩分(ナトリウム)と水分の濃度が低下したときに、腹部、腕、手、足先、脚、肋骨、肩あたりに不快な緊張を感じ、筋肉に痛みを伴ったけいれんが引き起こります。

日焼け

紫外線の強い所や長い間紫外線にあたったことで起こる日焼けは発熱や水疱、痛みを引き起こすことがあります。敏感肌の方などは極端な日焼けで入院となる場合もあります。

汗疹

汗疹は新陳代謝が活発な子供にできる印象がありますが、大人でも敏感肌の方や高い気温の環境に続けていたりすると汗疹となり皮膚の炎症を引き起こしてしまいます。摩擦が多い箇所や締め付ける衣類を着用されることも汗疹ができる要因となります。

熱関連疾患, 見るべき症状と対処法の一覧図
※上記はCDC-Warning Signs and Symptoms of Heat-Related Illnessを日本語に訳したものです。CDCオリジナル英語版はこちら

熱中症予防夏を快適に過ごすための基本予防をまだご覧になられていない方は是非こちらもお読みください。

参考:

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